トランプ大統領の弾劾調査、民主党にもリスク WSJ解説
https://jp.wsj.com/articles/SB11588140412100604850204585571672365398254By Gerald F. Seib
2019 年 9 月 25 日 14:03 JST 更新――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJのチーフコメンテーター
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ナンシー・ペロシ米下院議長(民主)はこれまで何カ月にもわたり、ドナルド・トランプ大統領への弾劾に関する一連の公聴会を開始すべきだという民主党内リベラル派からの突き上げ圧力に抵抗してきた。
ペロシ氏は弾劾のリスクを認識していたのだ。同氏にはビル・クリントン氏に対する弾劾調査の推移を見守った経験がある。その過程で職を失ったのは民主党のクリントン大統領ではなく、弾劾を主導した共和党のニュート・ギングリッチ下院議長だった。
しかし24日、事態が急転した。弾劾要求の圧力に対するペロシ氏の抵抗は数時間のうちに突然崩れたのだ。最初は党内の異端にすぎなかった意見が、驚異的なスピードで主流の要求へと変化した。その結果、同氏は下院が弾劾調査を正式に開始すると発表した。
しかしこの決定は、政治的リスクがなくなったことを意味するものではない。大統領と共和党議員らにとって、目前に示された弾劾調査の危険性は明らかだ。しかし、弾劾手続きを進める民主党議員にとっての危険性も大きい。
弾劾手続きへの急激な方向転換の要因となったのはもちろん、ジョー・バイデン前副大統領の行動に関する捜査を外国の首脳に求めたトランプ大統領の行動だ。ここ最近、トランプ氏がウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、捜査に踏み切るよう再三圧力を掛けていたことが明らかにされた。バイデン氏は副大統領時代、ウクライナの指導者らに対し、汚職撲滅に積極的でないと見なされていた同国検事総長の解任を要求した。しかし、この検事総長は、バイデン氏の息子が役員を務めていたウクライナ企業を捜査していた可能性もある。ウクライナの当局者は今年、バイデン氏や息子のハンター・バイデン氏が不正行為を行った証拠は何もないと述べている。
トランプ大統領が主要な政敵を調査するよう外国の指導者に要求したとのニュースが、民主党議員の怒りをかき立てたことは確かだ。しかし、怒りの度合いを急激かつ急速に上昇させたのは23日夜、トランプ氏がウクライナ大統領への要求を出す直前に同国への軍事支援を遅らせる措置をとったという新たな情報が明らかになったことだ。これは明らかに、トランプ氏が自身に政治的便宜を図るよう外国の指導者に強要する目的で、米議会が承認した資金の提供を保留したとの印象を与えた。
弾劾調査の動きに抵抗する堤防は23日夜、民主党の新人下院議員7人がワシントン・ポスト電子版への寄稿で弾劾手続きの開始を求めたのを受けて完全に決壊したようだ。投稿者は7人全員が兵役または国家情報機関での勤務の経験を持っていた。いずれも政治的には穏健派で、「スイング・ディストリクト」(共和党と民主党のどちらが勝ってもおかしくない浮動票の多い選挙区)から選出されている。トランプ氏は2016年の大統領選でこれら7選挙区のうち4選挙区で勝利を収めている。
トランプ氏への支持色の強い選挙区出身の穏健派議員たちが弾劾手続きの開始を明確に要求し始めた時、もはやペロシ氏には、突き上げに抵抗する力はなくなったのだ。
ペロシ氏は、性急な判断を求めようとすれば政治的打撃が生じることを承知しながら、弾劾手続きに関する調整役を引き続き務めるものとみられる。実際のところ、弾劾手続きを進めようとするのであれば、民主党が直面する最初の課題は、有権者の支持を得られるかだ。弾劾への支持率は現在、極めて限定的なものにとどまっている。
例えばクイニピアック大学が今夏実施した世論調査によれば、有権者の60%が弾劾手続きの開始に反対している。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースによる7月の同様の世論調査によれば、民主党支持の有権者10人のうち4人が弾劾に関する公聴会を支持しているが、無党派層の間ではかなりの懐疑派がおり、共和党有権者による支持はほとんど見られない。
(リンク先に続きあり)
まぁロシアゲート問題の時も何も出てこなかったしなー。
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Source: ギャンブル1